🎬 本田君の作品について知っていること

2026/2/15
シナリオライター冠木新市

本田博通君との出会いは50年前だ。 共通の友人の紹介で出会った。 東大生と聞いてはいたが、いかにも頑固そうで無愛想だった。 ロシア文学のトルストイを研究しているとのことで、何を話したら良いのか見当もつかなかった。 トルストイの小説は一冊も読んだことなかったので、本棚を見てすごい読書量だねとほめた。 すると、色々語り始めた。 私は、うんうんうなずいてひたすら褒めまくった。 それから、気に入られたようで付き合いが始まった。 実は本田君が東大を卒業できたのは、私のお陰である。 しかし、この話は長くなるので省略させてもらう。

本田君は、学生時代から小説を書いていて、いつも読まされた。 そのうちに私をモデルに書き始めた。 そして『K氏の映画館』で江古田文学賞を取ってしまう。 丁度、彼の結婚式の直前だった。 第二の人生のはなむけとなった。 思えば、卒業、結婚と人生の節目に間接的に私が関わることになる。

その後、本田君は広島に戻り高校教師、塾経営をされながら小説を書き続けた。 原稿を送ってきては感想を求められた。 受験参考書出版の時も、出すか出さないかと迷っていて意見を求められたので出すべきだと答えた。

昨年(2025年)は『テキスト主義者の手記』なるエッセイを自費出版した。 早速、送られてきたので読むと私のことが書かれてあった。 かなり事実誤認があるのだが、面白く書かれているので許すことにした。

さて今回の新作だが、始めて原稿を読んだ時、面白いと思ったが、 中高生の描写が今風でないのではと感じた。 意見を求められたので、時代背景を本田君が経験した80年代に変えてみたらと言った。 そして再び送られてきた原稿を読むと、俄然、面白くなっていた。 本田君は一見頑固そうだが良い意見には素直に従う。 これは素晴らしい才能である。

シリーズのタイトル『広島スク一ル・オブ・レジェンド』もとても良い。 今作で以前出版した『家庭教師・黒木一馬』も中学生になって登場し、 今後の活躍が期待できる。このシリーズは面白そうだ。

ところで今回の主役の沢木伸一だが、私の名前に似ていないだろうか。

冠木新市:

脚本家、アートプロデューサー、スマイルアップ推進委員会代表。 角川映画『天河伝説殺人事件』(監督市川崑)で脚本家デビュー。 映画『マヌケ先生』(大林宣彦総監督)、書籍『ゴジラ・デイズ』(集英社)など。


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